スタイルアリーナは一般財団法人日本ファッション協会が運営しています。

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2018.02.18

コラムVol.82『AWでも、袖に夢中』

  • Category FASHION

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「さらなる進化」

 

 ストリートでのトップス事情を振り返ると、話題を呼んだのは何といっても「ボリューム袖」。17S/Sに引き続き、17-18A/Wもその人気が廃れることはなかった。寒さを感じる秋冬では、トップスはアウターに隠れてしまう為、袖の主張は治まると思われた。ところが、その予想に反して、袖はさらなる一面を見せた。

 

 

 

「移りゆく季節と共に」

 

 17S/Sストリートで人気を集めたのが、袖がふんわり広がる「フレアスリーブ」。レースのシャツやブラウスなど、春夏らしい涼しげなものがほとんどだった。しかし季節の変化と共に、ボリューム袖は、秋冬に大活躍のニットに見られるように。よりボリューミーで、袖口がつぼまっている形の「バルーンスリーブ」が流行った。この形は外からの冷たい風を防ぎ、可愛いだけでなく防寒対策にもピッタリ。更に今季は、部分的にファーを取り入れるアイテムが人気だった為、袖部分にファーを付けた「ファースリーブ」も多く見られた。ただのバルーンスリーブとは違い、抜群な存在感と温かさを演出できるアイテムだ。A/Wでは素材の良さを生かした、季節感溢れる袖になったと言える。

 

 

 

「萌え袖を超えた袖丈」

 

 ストリートで見られるボリューム袖の多くがバルーンスリーブの形だったが、人気の袖がもう一つある。それが「ロングスリーブ」だ。名前の通り長めの袖であり、ニット、パーカー、アウターなど様々なアイテムで見られた。しかし、ロングスリーブを狙って着ると言うよりは、流行のゆったりとしたオーバーサイズを着ることにより、自然とこの袖丈感を実現している。袖が長いと、まくってしまいがちだが、指先まですっぽり覆い隠すのが今流の着こなし。袖で手の甲まで隠す“萌え袖”が一時期流行したが、ロングスリーブはそれよりも袖が長い。手がほとんど見えないが、逆に女性の華奢さを際立たせられる。ロングスリーブは、だらしなく見えがちなオーバーサイズアイテムを可愛らしく着こなすマストポイントであった。

 

 

 

 

 “ボリューム袖”というキーワードは同じでも、季節にあった素材を生かすことによって、袖が見せる表情は全く違うものになる。それが変わりゆく季節を楽しめる、ファッションの良さであろう。そして袖のデザインは、部分ファーやオーバーサイズなどのトレンドに合ったものになる傾向がある。次なるトレンドに向け、袖がどのような変化を遂げるのか、今後も目が離せない。

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