スタイルアリーナは一般財団法人日本ファッション協会が運営しています。

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2017.11.09

コラムVol.70『縁の下の力持ち』

  • Category FASHION

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「スカートトレンドの変動」

 

 近年のボトムスのトレンドを振り返ると、ワイドパンツやミモレ丈(ふくらはぎまで丈のある)スカートなど、ゆったりとしたデザインのものが多かった。肌の露出も少なく、なんとなく冒険心に欠けるイメージがある。そんな中、今年ストリートで圧倒的所持率を誇るアイテムが「台形スカート」だ。なぜファッショニスタたちはこのスカートを選ぶのか。ストリートを覗けば、その答えが見えてくる。

 

 

 

「いつでも、どこでも、どんなスタイルにも」

 

 このスカートの魅力は、なんといっても“多様性”。デザインも素材も実に様々。そのため、季節やシチュエーションに合わせたものを選ぶことができる。スカートをデニム素材にしてカジュアルにするもよし、コーデュロイでレトロさを出すもよし。また秋冬に活躍するチェックも、ストリートでは人気の柄。デザインや素材が豊富なため、台形スカートをよく見かける割には、スタイリングがかぶってしまう光景はあまり見られない。その点が差別化を好むファッショニスタたちの心をつかんだようだ。

 

 

 

「スタイルアップはぬかりなく」

 

 台形スカートの魅力は、その形にもある。ウエストは締まっているが、裾に向かってゆるやかに広がりがあり、女性らしさを感じられる。またタイトスカートとは違い、裾と脚の間にゆとりができるため、脚が細く見える効果がある。スタイルアップには強い味方だ。ストリートでは、このスタイルアップ法を存分に発揮していた。近年、オーバーサイズのアウターが人気であるが、サイズが大きいがゆえにアウターにすっぽり体が埋もれてしまい、“着られている感”が出てしまう。しかし、オーバーサイズのアウターに台形スカートを合わせれば、上半身はボリュームがあっても、下半身ではほっそりとした脚が姿を見せることになる。すると女性らしい華奢さを演出しつつ、メリハリのあるバランスのとれたスタイルに落ち着く。時代はメンズライクでも、女性らしさは忘れないのが大切だ。

 

 

 

 

 服を選ぶとき、トップスをメインに選んでしまうことが多い。しかしスタイリングの決め手は、ボトムスにあったりする。多大なインパクトこそないものの、どんなコーディネートにも万能に対応し、自身の女性らしさを引き立ててくれる台形スカートは“縁の下の力持ち”的な存在であると言えよう。これからがタイツやストッキングで脚を飾るのが楽しい季節。台形スカートを取り入れたスタイルが、ストリートでどう化けるのか。今後も見逃せない。

 

 

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