スタイルアリーナは一般財団法人日本ファッション協会が運営しています。

2017.01.24

コラムVol.40『2016-17 A/W 帽子トレンドの本命』

  • Category FASHION

 

本命の帽子

 

 今季の帽子事情を振り返ると、一昨季、昨季と勢いのあった「つば広ハット」の着用は激減。代わって活躍したのは大ブームとなったベレー帽で、今冬も独走かと思ったが、どうやら風向きは変わったようだ。本格的に寒くなった12月頃から、ボリューミーな「ロシア帽」や「フライトキャップ」人気が急上昇し、ベレー帽をも凌ぐ勢い。主にレディース中心に着用者数が拡大しているが、メンズにも徐々に浸透している。

 

                 

 

ロシア帽の定義

 

 上記でロシア帽と総称したが、厳密に言うと「ロシア帽」と「コサック帽」に分かれる。前者は別名「ウシャンカ」と呼ばれ、ロシア軍などでも着用されていた“耳当てがある”帽子。後者は毛皮でツバや“耳当てがない”シンプルな円筒形で、銀河鉄道999のメーテルで有名な帽子だ。現代ではどちらも広義的にはロシア帽と呼ぶが、強いて言えば今季は耳当てが付いている物の方が人気だ。ちなみにフライトキャップは、飛行機やバイクの操縦時に着用する防寒を目的とした耳まで覆う帽子で、内側にファーやボアが付いている。印象的だったのは厳寒な日でも、ほとんどの人が耳当てを降ろさずに被っていた事。“そのままの方が可愛いから”という声を多く聞いたが、耳当てを降ろすと主張が強過ぎて、スタイリングによってはバランスを崩してしまう可能性があるからだ。

 

                 

 

ニット帽感覚でスタイリング

 

 ルックスが個性的な分、デイリーユースには適さないアイテムに見えるが、意外にもニット帽感覚で幅広いスタイルにフィットする。下記写真のようにシンプルなコートやパンツ、カジュアルなジャケットやスニーカーにも馴染み、違和感なく用いることができる。ロシア帽とフライトキャップの良さを味わったら、ニット帽では物足りなく手放せなくなるだろう。インパクトが強いだけに、定番アイテムとなるかは未知数だ。しかし今季に限っては防寒しつつトレンド感を加えることもできるなど、利便性ある帽子。色や形違いで持っていれば自分次第で様々なスタイルを創り出せる、優秀アイテムと言える。

 

                 

 

 CA4LAなどの帽子専門店ではシャーロックホームズが被っているような「ディアストーカーハット」も見かけるようになった。春に向けてはフライトキャップよりも、ライトな印象のディアストーカーハットにシフトすると予想している。また、今回のトレンドのような個性的なアイテムがここ1年で増加し、「ノームコア」の風潮から完全に脱却したと言える。勿論ミニマルさを求める流れが無くなる事はないが、上手い具合に中和され、今後も新しい見応えあるスタイルが生まれるだろう。

コンテンツをロード中