スタイルアリーナは一般財団法人日本ファッション協会が運営しています。

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2017.07.02

コラムVol.56『ボリューム袖の存在感』

  • Category FASHION

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加速する「ボリューム袖」

 

 今季のトレンドトップスの共通点は、何と言っても「ボリューム袖」である。昨年から装飾的な袖のトップスが店頭に並んでおり、既に持っている方も多いのではないだろうか。今季も引き続き、素材や形を変えて出ている印象で、その勢いは止まることを知らない。特に最近は夏の時期に入ったこともあり、存在感のあるボリューム袖がストリートに溢れている。ボリューム袖はいつものコーディネートに新鮮さをプラスすることができるため、カジュアルからモードまでジャンルを問わず広く取り入れられている。

 

 

「袖コンシャス」がキーワード

 

 2017S/Sコレクションを振り返っても、「袖コンシャス」と言われるような装飾的でインパクトのあるデザインの袖が目立っていた。「コンシャス」というのは「意識的な」という意味である。その袖コンシャスをキーワードに、店頭では様々なバリエーションが見られ、ベルスリーブ、バルーンスリーブ、大振りなラッフル袖が人気を集めている。また、刺繍や花柄、レースなどといった今季のトレンドを袖に取り入れて、目線を上に持っていくデザインが多いのも、今季のボリューム袖の特徴だと言えるだろう。

 

 

フレアスリーブ

 

 そんなボリューム袖で特に注目されているのは、袖口にかけてふんわり広がったデザインが特徴の「フレアスリーブ」。トレンド感がありながら、腕をカバーし、すっきりと見せてくれるのが大きな魅力。定番のデニムからワイドパンツ、フレアスカートまで、どんなボトムスにも合わせやすい。更にタックインして、トレンドアイテムのサッシュベルトで合わせるのも人気。ウエストをマークすることでボリューム感を上半身に持たせながらも、すっきりと見せることができる。

 

 

 最近のトレンドアイテムの傾向として、“体型カバー”というのがある。ガウチョパンツが流行って以来、丈やシルエットに多少の変化はあったものの、パンツはずっとワイドが主流。今回のフレアスリーブにしても、袖のボリュームによって二の腕をカバーすることができる物が圧倒的に人気である。トレンドは循環し、反対の要素を次に求めることも多いが、体系カバーができるリラックスしたアイテムは一度流行ると抜け出しにくいのかもしれない。トレンドがコンパクトなタイトにまた戻るにはもう少し時間がかかりそうだ。

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