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2018.06.03

コラムVol.91『色と時代』

  • Category FASHION

 

 

「色は簡単に決まらない」

 

  その年にどんなテイストのファッションが流行るかというのは、必ずと言っていいほど政治的背景と大きな関連性を持つ。中でも「色」においては、シーズンによって最も移り変わりの激しい存在かつ政情と経済を映し出す鏡であると言える。

 

 

 

 

「なぜその色が流行る?」

 

 2018S/Sの流行色はイエロー・グリーン・ブルーなど明るい色が目立ち、カラフル化が進行している。高明度・高彩度でキレイな色から蛍光色まで、“色主役”のオシャレが楽しめるシーズンになりそうだ。色をたくさん加えた柄物も存在感を出しているため、インパクトのある刺激的なアイテムが数多く登場している。2018年は気候変動や不安定な世界情勢、ハイスピードで進むデジタル化など、予測不可能な揺れる時代になると予想されている。そんな中、Instagramの普及に伴い、非日常なイベントや奇をてらった投稿など、エキセントリックで気分を向上させる要素が増えたのが現状だ。この傾向を受け、2018S/Sは、主張の激しい明るく濃い色が共存するシーズンになる。

 

 

 

「世界中で愛されるために」

 

 「色」は、そのシーズンのトレンドを確定する上で一番最初に決定を行う。2年前(2018S/Sトレンドカラーなら2016年7月頃)に政治予想を考慮した上で決定し、そこから糸・素材・デザインを固め、2017年1月からフィレンツェやミラノ・パリにて展示会を行うのである。2年も先のトレンドを決めるなんて、そんな予想通りに世の流れはいかないのでは?という疑問も浮かんでくるだろう。実際、2001年にアメリカで起こったテロ9.11の時や2008年のリーマンショックの時は、想定外に世界中がオシャレから遠ざかってしまった。しかしこの緊急事態にファッション界は見事に対応し、この時のコレクションでは、実用衣料をメインとしたルックのみがランウェイに上がった。色は白で、人々の心を癒すような色合いと機能的でベーシックなアイテムがメインだった。

 

 

 

 

 消費者がいて初めて成り立つファッション界は、コロコロ変わる世界の“気分”に順応しつつ、新しい要素と前シーズンから引き続きの要素を組み合わせ、そのシーズンに合ったトレンドを確定させているのだ。この春夏は、キレイな色や大柄プリントの服など、少し大胆な着こなしに挑戦できるチャンスだ。色同士・柄同士をうまく組み合わせて、新鮮なアレンジにトライしてみてはいかがだろうか。

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