スタイルアリーナは一般財団法人日本ファッション協会が運営しています。

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2019.12.27

コラムVol.119『頭角を現したCPOジャケット』

  • Category FASHION

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着回しが利く万能アイテム

 

 2019-20A/W注目アウターの「CPOジャケット」。トレンド感と着回し力を兼備した万能アイテムで、瞬く間にストリートへ浸透した。ちなみにCPOは「Chief Petty Officer」の略で、アメリカ海下士官のチーフのことを指す。彼らが着ていたウールシャツをアメリカ人よりも華奢な日本人はジャケットとして活用し、“CPOジャケット”という名称が生まれた。

 

 第一次ブームは、1960~70年代。当時はアウトドアやカレッジスタイルの代表的なアウターとして、広く親しまれた。50年以上の時を経て、第二次ブームとなったCPOジャケット。流行った背景は近年ダッドスニーカーやフレアパンツのような“レトロアイテム”がブームになった為。その流れでレトロ感満載のCPOジャケットが再脚光を浴びたのだ。また、最近「スーチング」が流行ったように今年は例年にも増して「マニッシュ」というキーワードが注目されている。ミリタリー調のCPOジャケットはまさにマニッシュスタイルを体現できる最適なアイテムと言っていいだろう。

 

 

 CPOジャケットがここまで人気を得た理由は汎用性・機能性が高いことも挙げられる。見た目はシャツっぽいが生地が厚手の為、アウターとしても十分に機能。インナーは選ばず、どんなコーディネートにもマッチする。更に秋口から春先まで長く使え、MA-1ほど強いミリタリーではない為、抵抗なく手持ちの洋服と合わせる事が可能だ。真冬の季節だったら冬のコートのインナーとしても活躍できるだろう。セットアップのように合わせたり、市民権を得た“抜き襟コーデ”で着崩すのも今流の着こなしだ。

 

 

 ぽっと出にも思えるCPOジャケットだが、これからシーズンレスな定番アウターへの地位を確立するに違いない。今季はあまり見掛けなかったが、来季は「CPOコート」も人気を博すだろう。レトロ回帰世代とも呼ばれる、ストリートファッションの未来を担う今の若者たち。今後はどんなレトロアイテムに注目し、どんな風に現代ファッションとして回帰させるのか楽しみだ。

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