スタイルアリーナは一般財団法人日本ファッション協会が運営しています。

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2020.02.17

コラムVol.121『回帰した“ロングブーツ”のNew Look』

  • Category FASHION

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3度目のブーム到来

 

 「流行遅れ」、「ダサい」という声が多く、これまではファッショントレンドになることがなかったロングブーツ。しかしこのロングブーツを象徴とし、2018年に引退した安室奈美恵によって、ミレニアムズ世代でロングブーツが注目されるようになった。じわじわとギャルブームが復活ムードの中、一時代のファッションアイコンだった安室奈美恵の引退報道と時を同じくして、ギャル誌「egg」が復刊。今でも残るギャル魂、ギャルのファッションを特集したのも記憶に新しく、少なからず影響しているだろう。また、この引退によって、ギャル誌だけではなく、様々なファッション雑誌でも「今風に履くなら?」といった特集も組まれ、注目度が増したことも要因の1つだ。

 

 

 そもそもロングブーツは3度に渡って回帰と衰退を繰り返している。第一次ブームは90年代。コギャルブームの代表的なアイテムとして、極端に短いミニスカやショートパンツ、身長が10cmは変わる厚底ロングブーツ、パイソン柄の物が多く見られた。これは社会現象の一つとなり、反響は凄まじく、街で厚底ロングブーツを履いていない女性を探す方が困難な程。

 

 第二次ブームは2010年頃。益若つばさ・菅野結衣などのトップモデルがギャルファッションを盛り上げていた時代だ。この頃はミニスカート・ミニワンピース・デニムのショートパンツなどに合わせるのが主流で、ファー素材やルーズソックス風の物も登場し、ギャルの要素は強かった。

 

 

 第三次ブームである2018年から今季はニーハイや膝丈など、足の半分を隠すような丈感がトレンドに上がり、多くのブランドで展開されている。デザインと機能性は90年代・2010年のギャルライクな物とは大きく変わった。極端に高かったヒールや厚底はなりを潜め、フラットの物やチャンキーヒールで歩きやすさ重視に。特に今季最も印象的だったのは、「ストレッチソックスロングブーツ」が登場したこと。これはニーハイソックスとショートブーツを両方履いているようなデザインで、ZARAをはじめとする様々なブランドで展開された。ソックス部分は収納もしやすく、“ロングブーツが靴棚に入らない”という晩年の悩みは解決。また、密着度が高い為、防寒対策ができるメリットもある。

 

 

 そして今流の着こなしが“ロング×ロング”の合わせ。これはロング丈のスカートやワンピースにロングブーツを合わせるコーディネートで、一見ロングブーツには見えないのが特徴的だ。このスタイルは2019-20年秋冬パリ・ファッション・ウイークで、「セリーヌ」や「バナーバレット」なども披露し、注目が集まっている。来季はデザイン、カラー、機能性が変化した物が続々と登場し、ロングブーツが“ブーツの定番”となるかもしれない。

 

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