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2019.08.26

マカロニデザイン「MACARONI LABO」

  • Category CULTURE

 

マカロニデザイン ショールーム「MACARONI LABO」と工場

 

 今回は、家具製作を行なう株式会社マカロニデザインと代表・野崎義嗣さんを訪ねた。会社は、昭和50年代の工場を再利用したもので、3層(1階、中2階、2階)に分けて使用されている。

 

 1階は、木の採寸や加工を行う木取場とショールーム「MACARONI LABO」である。ショールームの正面は、自社制作である。ショールームは、2019年4月3日家具新聞で「若くてナイーブな発想と、確かな職人芸が生きている家具のニュートレンド」と紹介された。ここには、輸入雑貨やアンティークなフランス製の扉などと共に、自社制作のカウンターテーブルや棚などの家具も展示されている。野崎さんは、自社商品が増えていかないと笑う。それには理由がある。「誰も欲しがらないものを作るのは罪。単に自然破壊をしているだけになる。」と語り、「家具職人は、欲求がないと作れない。最初は受身。そこからどう作っていくかを考えていくのが役割。」と話す。

 

 ショールームのある工場は、道路からは木取場と働く若手職人、資材が目に入る。個人的な興味の一つは、使用している40~50年前の機械である。古い機械は、職人の技術や勘所が活かしやすく、同時に精度も出せるのだという。

 中2階は、ソファーのカバーなどを張る張り場がある。取材時は、熟練の張り職人がインターンで訪れていた専門学校ICSカレッジオブアーツの学生を指導しながら作業をしていた。

 2階は、工房である。鉄骨造の屋根裏の中央部には木材の柱が並ぶ。この柱の1スパン分が一人の職人のスペースなのだという。工房の一角は、若手の職人に場を貸しているのだと話す。

 

 野崎さんは、専門学校ICSカレッジオブアーツを卒業後、横浜市と北海道の旭川で約10年間家具製作に携わった。旭川は、国際家具デザインコンペティションを介した海外交流があり、この地で海外に触れドイツへと渡る。その後、憧れていた家具デザイナーのハンスJ.ウェグナー、フィン・ユール、アルネ・ヤコブセンの母国デンマークに渡り、海外で約2年をすごして帰国する。

 野崎さんは、「こういう家具がほしいという人にどんぴしゃで提供することと、家具づくりをする人になりたい人を育て、その人が腕を振るう環境が提供できることが自分たちの存在意義です。」と話す。家具制作は分業も多いが、ここでは一つの工房ですべての工程の作業を行う。ここには、一つ屋根の下で、若手、中堅、熟練の職人が家具製作と真摯に向き合い、欲しい人がどうしても欲しいと思えるような家具を実現するために、時間と空間を共有する姿がある。

 

-macaroni design- 家具を作るマカロニデザイン  https://macaroni-design.com/

 

 

 

博士(工学)、有限会社花野果 代表取締役

二村 悟

Satoru Nimura

受賞歴:O-CHAパイオニア学術研究奨励賞 受賞、第47回SDA賞 サインデザイン奨励賞・九州地区賞特別賞 受賞、第5回辻静雄食文化賞 受賞ほか

静岡県掛川市 (旧大東町) 生まれ。博士(工学) (東京大学)。
東海大学大学院博士課程前期修了。元・静岡県立大学食品栄養科学部 客員准教授。
現在は、有限会社花野果 代表取締役、専門学校ICSカレッジオブアーツ 非常勤講師、日本大学生物資源科学部森林資源科学科 研究員・非常勤講師、工学院大学総合研究所 客員研究員。

主な著書:水と生きる建築土木遺産 彰国社 2016、日本の産業遺産図鑑 平凡社 2014、食と建築土木 LIXIL出版 2013、図説台湾都市物語 河出書房新社 2010

花野果 HANAYAKA
https://tatemonoxxx.amebaownd.com/
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