スタイルアリーナは一般財団法人日本ファッション協会が運営しています。

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2019.04.26

コラムVol.107『今春は進化形トレンチコートが主役』

  • Category FASHION

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「春の定番アイテムだからこそ毎年のアップデートを」

 

 どんなファッションが流行ろうと、何度トレンドが巡ろうと、春の定番として君臨するのが「トレンチコート」。いついかなる時も春の定番コートとして年齢に関係なく、ベーシックなシルエットで春のファッションの顔として先導してきたトレンチコートが進化しつつある。今年は例年と違い、ノーマルなデザインは残しつつ、新たなファッショントレンドワードと共に変わったデザインの物が登場している。様々なファッションが簡単にできるようになった中で、多くの若者たちが「大人化」のスタイルに拍車をかけつつある。「綺麗なお姉さん」の象徴でもあったトレンチコートは、ベーシックなデザインを残し、トレンドや若者の声を取り入れ、反映した進化が止まることを知らないファッションアイテムだ。

 

 

 

「始まりは360度気を抜かない、❝バッグコンシャス❞から」

 

 ここ2~3年登場し続けているトレンドが「バックコンシャス」。後ろ姿まで気を抜かず、バックデザインでオシャレに見せる服のことで、トレンチコートも煽りをうけた。フロント部分は例年通りシンプルで、一見すると普通のトレンチコートだが、バックには異素材を合わせたり、プリーツを入れたりと、後ろからの見られ方に重点が置かれている。SNSの発達により、SNS映えにもなるデザインとして話題になったバックコンシャスが、多くの若者たちの心を捉えたのだ。

 

 

 

「みんな持ってそうで持っていない、❝ひとくせトレンチ❞

 

 2019年のコレクションの中でも特に目立ったのは、「○○トレンチ」といった名前の物が多く登場したこと。バックコンシャスな「後ろ姿美人トレンチ」、2way、3wayにもなる「変身トレンチ」、シルエットを綺麗に見せる「ドレストレンチ」など。ただのトレンチコートと一言では片付けられないようなデザインが多いのが特徴的だ。表現が自由にできるようになり、多くの服が蔓延しているからこそ、“人とは被りたくない”、“普通は嫌だ”、という現れが、定番コートにも反映され、新たなワードとデザインが誕生したのだろう。

 

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