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2016.07.01

コラムVol.21『“チャイナニスタ”の誕生』

  • Category FASHION

 

継続する刺繍トレンド

 

 昨年から今年の春にかけて大流行したスカジャン。ストリートでは刺繍繋がりの「チャイナ服」が原宿を中心に注目された。中には刺繍が施されていない“シンプルチャイナ”を着用していた人もいたのは印象的だった。まだ爆発的ブームにはなっていないアイテムだが、来年以降は現在よりも注目される可能性があるため、先取りで解説していきたい。 

 

           

 

チャイナ服とは

 

 チャイナ服発祥の地は、御存じ中国である。中国(正確には満州)の民族衣装であるチャイナドレスはもともと馬に乗ることを前提につくられていたため、左右のスリットは乗馬の邪魔にならない膝丈程度のものだった。その後1930年代に上海でモダンブームが起こると腕や脚を露出する行為がブームとなり、スリットは膝丈から更に深く、服のデザインも胸元や腰周りの曲線をアピールするために身体に密着したタイトなものとなっていく。これらが現代でいうチャイナドレスの原型となったのだ。もちろん今のストリートで着用されている物はこのチャイナドレスではなく、これをモチーフとしたアイテムである。フロント部分に装飾性のある“チャイナボタン”が付けられたものが主流で、色やデザインも様々。サテン生地に刺繍が施されているものがイメージとして分かりやすいだろう。綿素材で無地なものもあるため、メンズでも着用しやすい。

 

 

アイテムの足し引き

 

 ストリートでのチャイナはブラックカラーが人気。やはり、デザインが個性的ゆえにスタイルに馴染みやすい色味がチョイスされるのだろう。着用していたチャイナアイテムはシャツやジャケット、ブルゾンタイプのものまであった。フロント部分を開けてジャケット風に着こなすスタイルよりも、全て閉めてチャイナ服をメインにしている人が多かった印象。それなのにスタイリッシュに仕上がっているのは全体を落ち着いた色味で統一しているから。例えば写真の男性は 「GOOD DESIGN SHOP COMME des GARÇONS(グッドデザインショップコムデギャルソン)」 から発売されたキルティング素材のチャイナジャケットをメインとしたコーディネート。チャイナのデザインに加え、赤のカラーリングから強い印象を受けるが、他のアイテムをモノトーンで統一することにより、メリハリができ無駄がない。これらのファッショニスタ達から、チャイナアイテムとの共存はファッションの“足し引き”が必要だという事が改めて分かる。

 

            

 

 現在のオリエンタルブームには欠かせないチャイナアイテム。ベーシックなものをチョイスすれば他のトレンドアイテムとも馴染む。原宿の古着屋などで数多く取り扱われているため、ぜひ自分好みの1着を探してみて欲しい。

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